遺産整理をしたら相続放棄できない?これらの関係性とは
「相続放棄」という言葉をご存知ですか?
故人の遺品整理をする際、この言葉がトラブルの原因となることがあります。
そこで相続放棄とは何か、また遺品整理と相続放棄の関係性を紹介します。
□遺品整理とは
遺品整理とは故人の家や部屋にある大切に使用していた遺品を整理することです。
□相続放棄とは
相続とは、主に親の財産や遺産を子供が引き継ぐことを言います。
相続放棄とは遺産相続の権利を全て放棄してしまうことです。
人が亡くなった場合、法定相続人が法定相続分に従って遺産を相続することが基本です。
ただ相続すると必ずしもメリットがあるとは限らないのです。
□相続放棄のメリット
✳︎負債を背負わなくていい
亡くなった親に借金があった際、その借金は相続人にそのまま引き継がれます。
そのような場合、手続きを取り、相続の権利を放棄することで負債を背負わずに済みます。
✳︎遺産分割手続きに関わらなくて済む
これは遺産相続の際、法定相続人が集まって協議する必要がありますが、お互いの意見が合わなかった場合はトラブルに発展します。
こういったトラブルや遺産相続に関する面倒な手続きをしなくて済むようになります。
□相続放棄のデメリット
✳︎遺産の相続に関与することが一切できない
相続放棄の手続きを1度してしまうと、取り消すことができないのです。
そのため、相続放棄をする際は慎重に考えた上で行う必要があります。
✳︎資産が失われる
借金があり、相続を放棄したとします。
親の形見や思い出の品だけ取り戻したい場合でも、それが一切できなくなります。
相続放棄の手続きを行った時点で権利は無くなり、相続人が全員放棄した場合、国の所有物になってしまい、資産を失うことになります。
□注意点
相続放棄の際の注意点がいくつかあります。
まず、相続放棄の期限は法律で3ヶ月と決められています。
相続放棄の手続きをせず放置していた場合、借金があれば負債を負うことになります。
また借金が返せない際は、相続人自身の財産を差し押さえられることがあるので注意が必要です。
相続放棄すると故人の財産に一切関われなくなります。
そのため、いくら親族や遺族であっても相続人や債権者の許可なく遺産整理を勝手にしてしまうと、相続権利を有する意志があると判断され、相続放棄が取り消されます。
故人の物で市場価値が無い物を処分する場合は影響はありませんが、債権者などから訴えられた際に市場価値の無い物しか処分していない、と証明できません。
そのため、相続放棄を予定の方はまず弁護士に相談することをおすすめします。
□最後に
遺品整理と相続放棄の関係性や注意点を紹介しました。
しっかり自身の立場を理解した上でどうするか判断しましょう。
また、わからないことがあればトラブルに発展してしまう前に弁護士に相談しましょう。