遺品整理で必須の電子データの取り扱い方!デジタル遺品を安全に整理する手順

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遺品整理で必須の電子データの取り扱い方!デジタル遺品を安全に整理する手順

身近な方が亡くなられた悲しみの中、現実的には故人の残した様々な物品の整理が必要となります。
近年、故人の生活に深く溶け込んでいるデジタル機器やオンラインサービスについても、その扱いについて悩まれる方が増えています。
これらは「デジタル遺品」と呼ばれ、単なるデータだけでなく、故人の想いや大切な記録、あるいは思わぬ情報が含まれていることも少なくありません。
どのように向き合い、整理していくべきか、その具体的な方法と注意点について、ここでは詳しく解説していきます。

デジタル遺品とは?遺品整理でなぜ重要か?

デジタル遺品とは具体的に何を指すか

デジタル遺品とは、故人が生前に利用していたスマートフォン、パソコン、タブレット端末、デジタルカメラ、ゲーム機、USBメモリといった物理的な記録媒体に保存されているデータ、あるいは故人が契約・登録していたSNSアカウント、メールアドレス、ネットバンキング、クラウドストレージサービス、オンラインゲームのアカウント、各種サブスクリプションサービスといったデジタル空間上に存在する情報全般を指します。
具体的には、家族との思い出が詰まった写真や動画、個人的な記録や日記、友人や仕事関係者とのやり取りが残るメールやメッセージ、ウェブサイトの閲覧履歴、オンラインショッピングの購入履歴、さらには暗号資産(仮想通貨)に関する情報や、Webサイトの管理権限、各種サービスのログイン情報などが含まれ、その範囲は非常に多岐にわたります。

遺品整理でデジタル遺品を放置するリスク

故人のデジタル遺品を遺品整理の過程で適切に扱わないまま放置しておくと、様々なリスクが生じる可能性があります。
まず、故人のアカウントに不正アクセスされた場合、個人情報やプライベートな情報が漏洩し、プライバシー侵害につながる恐れがあります。
また、故人が契約していたサブスクリプションサービスやオンラインゲームの課金などが、解約されないまま継続され、意図しない金銭的な損失が発生する可能性も否定できません。
さらに、故人が隠していた借金や、人間関係に関する情報などが意図せず遺族の目に触れることで、遺族間に深刻な対立や精神的な苦痛を生む原因となることもあります。
加えて、故人のアカウントを不正に操作することは、不正アクセス禁止法などに抵触する可能性があり、法的な問題に発展するリスクも考慮する必要があります。

故人の電子データ整理と処分の方法

故人のデバイスやアカウントへアクセスする方法

故人のデバイスやアカウントへアクセスするには、まず故人が設定していたパスワードやPINコードが分かっているかどうかが鍵となります。
パスコードが判明していれば、スマートフォンやパソコンに直接アクセスできます。
また、生体認証(指紋認証や顔認証)が設定されている場合、故人の登録された指や顔を使って解除できる可能性もあります。
パスワードが不明な場合は、各サービス提供者(Apple、Google、各種SNS運営会社など)のサポート窓口に連絡し、故人の死亡証明書や遺産分割協議書などの必要書類を提出して、アカウントへのアクセス権限の移行や削除を申請する手続きを取ることになりますが、サービスによっては対応が難しい場合もあるため、事前に確認が必要です。
故人が遺言書やエンディングノートに、これらのアクセス方法を記して残している場合もあります。

必要なデータと不要なデータの仕分け方

デジタル遺品の整理において、まず行うべきは、残しておくべき「必要なデータ」と、削除または破棄すべき「不要なデータ」の仕分けです。
必要なデータとしては、相続手続きに必要となる書類や契約情報、故人の大切な思い出が記録された写真や動画、音声ファイル、故人が頻繁に連絡を取り合っていた重要な人物の連絡先、遺言書や財産に関する情報、あるいは故人が趣味や仕事で大切にしていた記録などで、遺族が引き継いだり、保存しておきたいと考えるものが挙げられます。
一方、不要なデータとしては、一時的な情報、重複して保存されているデータ、ウェブサイトの閲覧履歴、迷惑メール、ログイン情報が不明なままアクセスできないアカウント、相続や遺族の心情に関係のない個人情報が多すぎるデータなどが該当します。
判断基準としては、相続財産としての価値、法的な義務、遺族の心情、そして可能であれば故人の意思を尊重することが重要になります。

データのバックアップと安全な削除手順

必要なデータを仕分けた後は、それらのデータを安全にバックアップし、不要なデータや個人情報を含むデータは確実に削除する手順を踏むことが肝要です。
バックアップは、外付けHDDやUSBメモリ、あるいは信頼できるクラウドストレージサービスなどを利用し、複数箇所に保存しておくと、万が一の事態に備えることができます。
データの安全な削除に関しては、スマートフォンの初期化やパソコンの工場出荷状態への復元といったOSの標準機能を用いることで、ほとんどのデータは消去されます。
より確実性を高めるためには、HDDやSSDなどの記憶媒体を物理的に破壊する方法も有効ですが、これには専門知識や業者への依頼が必要となる場合があります。
SNSやオンラインサービスのアカウントについては、各サービス提供者の指示に従って削除手続きを完了させることが必要です。
単にファイルを削除したり、初期化するだけではデータが復元される可能性があるため、プライバシー保護の観点から、これらの慎重な手順が求められます。

デジタル遺品整理で後悔しないために知るべきこと

遺族間の同意と情報共有は必須

デジタル遺品の整理を進めるにあたり、最も重要なことの一つが、遺族間での十分な話し合いと合意形成です。
誰が、どのようにデジタル遺品を整理するのか、どのデータを残し、何を削除するのかといった方針について、相続人全員が納得できる形で決定していく必要があります。
故人が生前に秘密にしていた情報、例えば隠していた借金や、意図しない人間関係などが発覚した場合、遺族間に深刻な対立や悲しみを生む可能性も十分に考えられます。
そのため、情報共有は透明性をもって行い、後々「隠していたのではないか」「不公平だ」といった疑念やトラブルが生じないよう、細心の注意を払うことが不可欠です。

プライバシーセキュリティ侵害を防ぐ対策

故人のデバイスやアカウントへのアクセス権限は、相続人の中でも代表者一人に限定するなど、厳格に管理することが、プライバシーやセキュリティ侵害を防ぐ上で極めて重要です。
複数人で同時にアクセスしたり、無関係な人物にアクセス権限を共有したりすることは避けるべきです。
アクセスに成功したパスワードなどの重要情報は、速やかに変更するか、安全な場所に保管・管理し、他者に漏洩しないように注意が必要です。
また、故人のアカウントから、遺族の個人情報が推測されたり、フィッシング詐欺などの標的となったりしないよう、常に警戒を怠らないようにしましょう。
不明な点や不安なことがある場合は、弁護士や司法書士、あるいはデジタル遺品整理の専門業者など、信頼できる専門家に相談し、適切なアドバイスを受けることが、トラブル回避につながります。

専門家への相談や業者依頼の判断基準

デジタル遺品の整理においては、専門家の助けを借りることが有効な場合があります。
相続手続きや、遺言、成年後見といった法的な問題が絡む場合、あるいは暗号資産(仮想通貨)やNFTなどの複雑なデジタル資産に関わる場合は、弁護士や司法書士などの専門家への相談が推奨されます。
また、ご自身のITリテラシーに自信がない、故人のデバイスやアカウントが非常に多く整理に時間がかかりすぎる、パスワードが不明でアクセス自体が困難である、プライバシーやセキュリティに不安があり専門知識を持つ第三者に任せたい、といった場合には、デジタル遺品整理を専門とする業者への依頼を検討する価値があります。
業者に依頼する際は、料金体系、過去の実績、プライバシーポリシー、情報漏洩対策などを事前にしっかりと確認し、信頼できる業者を選ぶことが肝心です。

まとめ

身近な方を亡くされた悲しみの中で、故人のデジタル遺品と向き合うことは、心身ともに大きな負担となることも少なくありません。
しかし、適切な準備と手順を踏むことで、故人の尊厳を守りつつ、遺族の負担を軽減し、将来的なトラブルを防ぐことが可能です。
デジタル遺品は、故人の大切な情報や財産であり、その整理は遺品整理において避けては通れない重要なプロセスです。
放置することで生じるプライバシー侵害や金銭的損失、遺族間のトラブルといったリスクを理解し、デバイスやアカウントへのアクセス、データの仕分け、そして最終的な削除・処分といった具体的な手順を丁寧に進めることが求められます。
何よりも、遺族間での十分な同意と情報共有、そしてプライバシーとセキュリティへの配慮が不可欠であり、必要に応じて専門家や専門業者への相談・依頼を判断基準に含めることも、円滑な整理につながります。
故人の意思を尊重し、心穏やかに遺品整理を進めていただければ幸いです。

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